試乗車の長期貸出はできる?問題や事故が起きた場合は?元車屋社員が解説!

 


2019年に茨城県の常磐自動車道で起こった『あおり運転』の事件。

当時、加害者が乗っていた車種やナンバーが特定されていましたが・・・

なんとこの車が試乗車だったことが判明し、大きな話題になりました(´゚д゚`)

貸し出しをしていた事業所によると、事件の日以降に返却されたとのこと。。

随分と長い期間試乗車を借りていたことも判明しましたが、そもそも試乗車を長期間貸し出ししてもらうことはできるのでしょうか?

また、このような問題が起きた場合はどうなるのでしょうか?

そこで今回は、試乗車の貸し出しについてトヨタ系ディーラーの元社員目線で解説していきます!

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試乗車の目的は?

ディーラーには『試乗車』以外の車が存在することをご存知ですか?

意外と知られていないのですが、ディーラーには大きく分けて『試乗車』・『展示車』・『社用車』の3つの用途の車が存在しているのです!

それぞれの用途を説明すると・・・

  • 試乗車・・・実際にお客様に乗って走行してもらい、その車の体感してもらうためのもの。
  • 展示車・・・展示が主な目的で、店内でお客様に見て触れてもらうためのもの。(駐車場に並べてある場合も!)
  • 社用車・・・主に代車として使われれるためのもの。社員が使う場合も。

それぞれの目的は、ザッとこんな感じ。

また『試乗車』『社用車』は、公道を走ることができるように”ナンバー”が付きの車。

一方で『展示車』は展示が目的のため、ナンバーは付いていないものが多いです!

ナンバーがない車で公道を走らなければならない場合には、”仮ナンバー”をつける義務があるので、展示車の移動には仮ナンバーが必須なんですよね~(._.)

ディーラーには『試乗車』以外にも存在するということがわかってもらえたかと思います☆

試乗車は長期貸し出ししてもらえるの?

試乗車の目的は、『お客様にその車を実際に体感してもらうこと』です!

なので結論から言うと・・・

1人のお客様に試乗車を長期間貸し出しすることはまずありえません!!

当たり前ですが、ディーラー側としては1人でも多くのお客様に車の良さを体感してもらいたいんですよね。

しかも試乗車は”新型車”の場合が多いので、長期で留守となると商売になりません!!

1番売りたい車がないなんて・・・ありえないですからね(_ _;)

そのため、試乗車の試乗はスタッフが同乗の元、近場の試乗のみが一般的。

時間にして、長くてもせいぜい30分くらいだと思います!

中には「家の車庫に入れてみないと感じがわからない」というお客様もいましたが、それでも往復で1時間ちょっとの人が多かったです。

この場合ももちろん、従業員が同乗する場合がほとんどです!

また試乗車ですが、同じ車種が全店に配車されることはまずありえません。

私が勤めていたディーラーは県内に50店舗以上あるかなり大きな会社だったのですが・・・

新型の試乗車が配車されるのは、規模の大きな店舗がほとんど!

店舗で譲り合いながら、数台の試乗車を全店で共有するんです。

これが1人に長期貸出されたら・・・自分の店舗だけでなく、周りの店舗にまで迷惑をかけることになりますからね!

通常は、長期貸出ということはまずありえません(._.)

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ただし、例外も存在する!

基本的にはありえない『試乗車の長期貸出』

しかしごく稀にですが、例外も存在します。

どんな例外かというと・・・

主に、点検や修理に想像以上に時間がかかったりする場合です!

ディーラーは新車の販売だけでなく、車の整備や点検を行う「サービス工場」が併設されています。

この点検や整備でお客様の車をお預かりするときに、『試乗車を代車として貸し出しする』ことがあるのです!

しかしそれも、

「ディーラー側に不手際があって修理日数が伸びてしまう場合やむを得ず・・・」

という場合に限られることがほとんどです(._.)

そのため、ディーラー側のミスで納車が間に合わないこと以外、試乗車を貸し出すことはまずありませんね。

私は10年間勤めて3店舗を経験しましたが、その中で試乗車を貸し出ししたのは2店舗で2件

期間はどちらも1週間前後。

2週間以上や1ヶ月以上などの貸し出しは確実にありえないのではないかな、と経験から個人的には思いますね。

またどちらの場合でも、優先されるべきは店舗にある『社用車(代車)』なのです。

なので、試乗車を貸し出すことはかなりの確率でありえないことです!

ちなみにもし試乗車を貸し出す場合、ディーラーが長期休みに入る『お盆』『年末年始』をまたがないように配慮されます。(1度返却してもらう、代車と交換する、などなど)

2019年の事件の際のBMWはどんな理由で貸し出していたのか・・・気になるところですね。

問題が起きた場合はどうなるの?

通常ディーラーで代車を借りる場合、書類にサインが必要になります。

貸出期間や貸し出しする車種免許証のナンバーやキズの確認など、必要な項目にサインすることが義務付けられています!

もちろん代車には車両保険がかけられていますので、事故を起こしてしまった場合には保険で修理することが可能です。

ただ、免責が発生する場合がほとんどで、5万円ほどは自己負担が必要に・・・。

いくら説明しても、社用車で事故を起こしてしまう方はいるんですよね(-_-;)

2019年の事件で言うと、暴行を受けた男性は殴られた衝撃でブレーキから足を離し、前に停めていたBMWにぶつかってしまいました。

この場合もBMWは保険を使えるハズですが、暴行を加えた男性は免責でいくらか自己負担が発生するでしょうね!

まとめ

試乗車の貸し出しについてご紹介しました!

基本的にはありえない『試乗車の長期貸し出し』

もちろん例外も存在しますが、ディーラー側のミスや不手際でお客様に迷惑をかけてしまう場合のみに限ります。

普段の点検や新車納車待ちでは、代車がない場合でも試乗車の貸し出しは行われません!

「ディーラーにお願いすれば試乗車を貸してもらえる!」と簡単に考えないほうがいいですよ~(._.)


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